チェロとお昼寝

趣味のチェロとか とにかくもろもろ。アラ還主婦のつぶやき

バラエティに富む介護

もうすぐ89才の母。

大腿骨骨折で入院して1ヶ月を過ぎた。

毎日、朝晩の食事、病院の付き添い、就寝の世話、ヘルパーさんとの交渉。。次々と起こる事件の後片付け(笑)が突然無くなり。

しかも、「転ぶかも」とか「今度は何の事件?」とか頭の片隅にずっと住み続けていた「心配」が無くなって身体が物凄く楽になった。

でも、まだ家のドアの音がすると「母が来たかな?」と思ってしまうこともあるし、食事の用意の時は母の分を用意してしまうこともしょっちゅう。食事をつくるときも「辛いものは避けて」と思う癖(母は歳をとって辛いものがダメになった)はまだ残っている。(そう言うときはやっぱり寂しい)

 

実は母の介護を口実に避けていたものがある。

「義理母の介護」

92才で北陸に長男夫婦と住んでいる。

この母。穏やかとは程遠い方で。。。

記憶力がもの凄くよく、地方独特の複雑な親戚の人間関係を本当によく覚えていた。

昔からそれをよくご披露してくださるのだけど、長くて長くて。。こちらは、年に数回しか帰らないので、まあ仕方ないかと聞いていたし、親戚の話も興味があったし(会ったことのない親戚の方の話も義理母のお陰で繋がって行った)ありがたい話として拝聴していたのだけど。

 

その母が最近は。「被害妄想」が酷い。

しかも、1番の敵は、同居している長男の嫁。

それもありもしない「盗んだ」「勝手に捨てた」のオンパレードで、長く長く話が続く。

普通に長いのも辛いのに、被害妄想が加わると聞いていて本当に辛い。

そんな感じなので、無理をしても義理母の介護という感じにはならず(無理をしても北陸まで泊まりの介護は無理だったけど)

肝心の夫(義理母の息子)が、行くのだが。

全くダメ。

義理母の長い長い本当に長い話を聞いてあげているのは、偉いのかも、しれないが。

数時間聞くとギブアップして外に出掛けている様子。それで義理姉に食事の用意をしてもらって。

行くのも数ヶ月に一度、一泊。

それ以上は精神がもたないそうだ😰

 

夫は三人兄弟でアメリカに住む妹がいる。

夫婦とも日本人で子ども達も独立して時間に余裕があるようだけど。

やっぱり、及び腰。。

 

最近はトイレが間に合わなくなって、失敗することが多いらしい。

元々悪かった足が益々悪くなって、トイレに到達する前に出てしまうとか。。

それを、聞いて、いやあ、義理姉ごめんなさい🙏

と思っていたのだけど。

こちらの母が、入院したことで行かれるようになった。

そして、行ってきた。ちょっとドキドキしながら。

 

考えてみれば、何年も「泊まり」をしていない。

久しぶりのお泊まりは、「夫の実家」とは。。

とは言え。

家族と離れての1人新幹線は、やっぱり快適!

 

しかし。。

到着してみると。

凄い光景だった。

もともと義母は整理整頓が下手で物が多い家だった。おまけに、モノをすてるのが嫌いで。

それなのに買い物は好き。

どんどん増える。

よって居間は巣窟のようにモノであふれていた。

今回も居間は同じように巣窟だったけれど、義母の部屋に行ってみると、愕然とした。

どこもかしこも物だらけ。

ベットの上も物だらけ。

これじゃあ、寝る場所を確保するのも大変だろうと思うのだけど、義理母は1日の大半をそこで過ごしているらしい。

義理姉の話では、「捨てた、盗んだと言われるから整理出来ない」とのこと。

そりゃそうだわね。

義理母の口は滑らかで、よく喋る。

しかし、話の最後は、必ず「盗難」の話になり、犯人は義理姉だけでなく、工事に入った人とか、義理父(10年前に亡くなった)がよく通っていたバーのママとか。。。

整理整頓の良い人でも、ものがどこに行ったのか、わからなくなることは多いだろうに。

この惨状では、誰でもものは見つからないだろう。

盗難!と、叫ぶまえに掃除したら?

と思うが、もちろん言えない(笑)

義理姉の話では、通帳も無くなり、銀行に作ってもらったが、引き出しに入れておいたら、義理母が取り出して、何処かに行ってしまったとか。。

ハンコも無い。

 

上等なものを飾る飾り棚ですら、なんか雪崩のようになってる。この前の地震でこのようになったとか。

横になってるものを縦にするくらい良いだろうと思ったら、戸棚に鍵がかかっていて開かない。

義母が鍵をかけて、鍵が何処かに行ってしまったとか。。

この飾り棚はいつまでこのままなのだろう??

 

トイレの失敗は、小だけではなく。

大も毎回失敗。

しかも、母はよく食べ(ほぼ100%歯は残っている)消化もよく、毎日大量の便通があるらしい。

それが1日2回とか。。。😰

しかも軟便。。

オムツから溢れるほど。。

だから、トイレもベタベタになる。

 

毎日トイレ掃除?!!

 

想像以上。。。

 

お風呂も週に一回、義理姉が入れているらしい。

 

なぜ、介護の人を入れないの?

と聞いたら。

「盗難、被害妄想の強い人の介護はヘルパーさんの負担になるので呼べないらしい」

とか。。

 

それでも、便の状況をみて、あまりに大変とケアマネさんも判断して、毎日昼に1時間、排便補助と話し相手でヘルパーさんをよこしてくださるようになったらしい。

それが介護している義理姉にとっては物凄く助かっているとか。

でも、排便は昼に出るとは限らない。

たとえ、ヘルパーさんがいる間に排便したとしても

時間内なら清掃してくれるけど、時間が来ると途中で辞めて帰ってしまうとか。

 

なんとも言えない。。。

 

私がまずやったことと言えば。

ごめんなさい。今まで何も出来なくて。

 

と、謝ること。

義理姉は優しい人なので

「いえいえ。」とは言ってくれたけど。

怒ってるだろうなぁ。

 

親の介護を経験して、色々アドバイスしてくれる人がいる。

「私は介護経験者だから」と、「先輩」としてアドバイスしてくれるのだけど。

今まで、そのアドバイスはしっくり来るものは

ほとんど無かった。

申し訳ないが、「ちょっとウザいな」と思うことも多かった。

なんで、しっくり来ないのか。

 

ようやくわかった。

「人によって全然違う」から。

 

子育ても違うけど、介護はもっと違う。

 

友人のアドバイスに「ウザいな」と思っている私だが、恥ずかしながら、私も「介護経験者」の端くれだと思っていた。

だから、義理母の介護はそれなりに出来るだろうと思っていたが。

 

同じ認知でも全然違うのだ。

トイレが間に合わない!場合も人によって全然違う。

母は、トイレを失敗することはあっても小だけだった。だからそれほど手間はかからなかった。

でも、何故か調理をしたくて、勝手にタクシーで買い物に行き、調理をした。こちらは、出掛けて転ぶのは本人の責任だから仕方ないと思うものの、火の不始末は、そんな訳にはいかないので、心配で心配で、仕方なかった。(結局、軽い火の不始末をきっかけにガスの元栓を切って使用禁止とした)

義理母は、全く調理する気がない、だから火の不始末は心配ないし、1人で勝手に出かけることもない。

それは安心だけど、暴言やトイレの失敗がひどく、そして部屋はメチャクチャ。

本当に全然違う。

 

違う上に、義理母の方が何倍も大変そうだ。

 

こりゃ大変!!

だけど。。

呆然としながらも、何故か気は軽い。

 

母の介護のときは、こんなに大変では無かったのにもっともっと気が重かった。

いつもいつも頭の中に「母の介護」がこびりついていて、しかもいつまで続くかわからない。

考えても仕方ないことが次々と頭のなかをめぐって、心休まることが無かった。

 

では今回は何故軽い?

それは。

「3日間」という限定だから。

3日間すれば普通の生活に戻れる。

責任の重さが全然違うから。

なんだかんだで、最後は義理姉にお任せできるという気の軽さは、義理姉には申し訳ないが本当に楽だ。

 

とにかく、3日間頑張ろう!

 

と決意していると、電話が鳴った。

母の入院している病院からだ。

電話を取ると、主治医だった。

「お母様をお風呂に入れていたら、突然意識が無くなったような感じで寝てしまい、慌ててお風呂から出したのですが、脳梗塞の兆候もなく、ただ爆睡されているようなのです。今までもそんなことはありましたか?」

母はよく寝る。あり得ないところでもよくねる。

例えば、私が小学生の時の父兄参観でも、授業を見ながら、椅子に座った母はイビキをかいて寝ていた。イビキが恥ずかしくて、私は母を起こしに行ったほど(笑)

まだ40才になったかならないかの時だ。

そんな母なので、89才の母がお風呂で寝ることは何の不思議もない。

ただ、「意識消失」という言葉は気にはなったが、それほど問題なことではないだろうと判断し、医師に伝えた。医師は、「家族が判断した」というお墨付きが欲しかったようで「ご家族がそのようにおっしゃるなら」とか、なんかもぞもぞした雰囲気で電話をきった。

ところがそれから15分ほどして、同じ医師から電話がきた。さっきはモゾモゾのんびりした感じが明らかに狼狽えている。

「あってはならぬことが起きていました。」

なにか?

「違う患者さんの薬を飲ませてしまいました!」

何でも別の患者さんの昼の薬を母に渡したらしい。

母は普段昼の薬は無いのだが、認知も入っているし、何の疑いもなく飲んでしまったらしい。

それが安定剤いり(しかも強め)だった。

薬を飲んだあとにすぐお風呂で、効き目が出たのはお風呂の最中だったのだろう。。

 

「そりゃ寝ますね」

と、私が言うと。

「もの凄く眠かったと思います。本当に申し訳ありません!」

 

間違えたのは一回だけだし、幸い安定剤(血糖降下剤だったら大変だった)だけなのと、車椅子なので転ぶこともない。副作用は眠るだけだ。

病院は、かけつけて欲しかったようだが、こちらは北陸にいてしかも介護の真っ最中。とても動けません。

代わりに妹に行ってもらうことにして。

話を終えた。

 

あっちもこっちも介護。

いやぁ大変。と思いながら、とにかく目の前の問題を解決しながら進めればよいやと、結構ノンキに構えていたのだけど。

どうもそうはいかなくて。。。

残りは続きで。