4月に実母が老人病院に入院して、色々な意味で楽になった。
同じマンションの斜め下に住んでいたので、食事も我が家に来て食べていたし、病院、歯科、美容院の付き添い、薬の管理、お金の管理。
正直、こういう管理はそれほど手間はかからない。
病院は近いし、予約なのですぐ終わる。
食事も特別食を作るわけではないので、少し多めに作れば良いだけ。
母の家に行く時間が30秒もかからないので、行ったり来たりしてもそれほど手間ではない。(夜中に行く時はパジャマで通っていた)
大変だったのは、夜に出かけられないこと、勿論宿泊もだめ。
コロナから続いていて、もう何年も宿泊をしていない。
それと。
何処に出かけても、母は大丈夫か?と気になることが本当に嫌だった。
転んでないか?火を出していないか?出歩いてないか?
どれも起こりうることで、いつ起こっても不思議なかった。
それが、転んで、入院したときから全くなくなった。
いなくて寂しいなと思うと同時に、肩の荷が軽くなった。
そこで、目一杯遊ぼうかと思ったが。
世の中そんなに甘くない。
見て見ぬふりをしていた、義理母の介護に参加することにした。
義理母(92才)は北陸で長男夫婦と暮らしている。
男尊女卑の家族で、義理母の面倒は全て義理姉が見ていた。
申し訳ないなと思いながら、全く手伝えないでいた。
しかし。母が入院したことでその理由は無くなり。
何より義理姉を手伝いたくて。
4月は2回ほど通った。(2泊3日を2回)
介護って本当に違う。
同じようなおばあさんなんだけど。
義理母は口が立つ。
それに認知症が混ざると。
悪口オンパレード。
被害妄想。。
適当に流そうとするのだけど。それでも重い。
しかも、トイレの世話も入り、小はともかく大の方がすごい量で、毎日すごいことになる。
よくもまあ、毎日義理姉はやっているもんだと感心しながら。
私は3日間だけなので。
とにかく、時間の過ぎるのを待つ。
しかし、おしゃべりするのも限度がある。
そこで。。
2回目は、チェロを持って行った。
もともと、発表会のピアノ合わせが帰ってすぐにおるので練習をしたくて持って行った。
新幹線に乗せるのは大変かな?と思ったが座席の前にも収まってスムーズに運べた。
大きな荷物は予約しないと有料らしいが、楽器は無料だ。もちろん予約も必要ない。
チェロを見た義理母は、物凄く喜んで、「弾いてみたい」とせがまれた。
勿論、どうぞ、どうぞと楽器を構えてもらい、弾いてみた。
想像以上に力がいるとわかったらしい。
早々に弾くのは諦めた(笑)
でも、おしゃべりは、昔の楽器を弾いていた(お琴とピアノ)話になり、結構弾んだ会話ができた。
しかし、そのうち、また愚痴になる。
そういう話になりそうになると、
「じゃあ私も練習しようかな?」
と、母の前で練習し始める。
しばらく練習していると、また義理母が話しかけてくる。
そして、またお相手。
そして愚痴が酷くなってくるとまたチェロを弾き。
義理母は、話し相手が出来て、私はチェロの練習ができて。
一石二鳥。
思いの外、有効に時間が使えた。
義理母は楽器の音がうるさいと言わないで、近くで弾いていて!と言うタイプだったので(もしかしたら、「嫁が楽器を弾いてうるさくてたまらんかった」と言っているかもしれないが、私には聞こえないので気にしないことにする)出来たことかも知れないが。
こんなにチェロが役に立つとは思わなかった。
ピアノでもよいのかもしれないが、ピアノは場所を選ぶし、チェロよりうるさい。
チェロなら、どこでも弾くことができるので(何ならベッドの横でもOK)手軽感がある。
こういう時も、「楽器をやっていて良かった」と思う。
やって損はなかった。