練習を1日休むと自分にわかる。
2日休むと批評家にわかる。
3日休むと聴衆にわかる。
よく聞く言葉です。
でも、私はそんなレベルじゃない。。。。
チェロは一応毎日弾いている。
酔っ払って、何弾いてるのかよくわからないこともあるけど(笑)
とにかく毎日楽器は触ろうと。
でも、弾けない日もたまにある。
具合が悪かったり、疲れ果ててたり。
それで、
1日休んだあと、弾いてみると。
え?と思うほど、レベルが落ちている。
一昨日は弾けていたフレーズが弾けなくなってる。
あれ?この指使いどうだっけ?と、自分で笑っちゃうくらい、いろんなことが抜け落ちていて。
久しぶり(1日ぶり)だから、もう一回弾いたら思い出すだろう。。と思って弾いても、だめ。
というか、あっちもこっちも悲しくなるくらい弾けなくなっていて。
また、最初から練習。
一度弾けるようになったんだから、2回目は早く弾けるようになるでしょ!と、前向きに考えるのですが、現実は。。。。
同じだけかかるんです。
1日休むと戻すのに3日かかる。
これは私だけではなく、有名な演奏家も言っていることらしいです。
まあ。演奏家と私じゃ、比べるものが違いすぎますけど。。。。
「1日休んだくらいでそんなに落ちない!」という意見もありますが。
いやいや。。。。落ちます、びっくりするくらい。
若い頃はそんなに1日で落ちることはなかったような気がします。
でも、今、この年齢になると、本当に落ちる。
なんで?
稲垣さんのエッセイ。
50歳をすぎて、小さい頃に挫折したピアノのレッスンを再開し、その顛末を書いたもの。
でも、稲垣さんのアパートには自宅にピアノがない。
そこで、つてを頼って、よく行く喫茶店のピアノで練習することになった。お店の開店前や、閉店後や、物分かりの良いお客さんがいる時をねらて練習した。もちろん、先生にも月に一回レッスンを見てもらって、憧れていた曲を練習し、発表会までやっていく。
昔やっていた(と言っても小学生で辞められた様子)からと言って、久しぶりのピアノ。そんなにうまくは行かない。でも、なぜできないのか?何がいけないのか?を考えながら進んでいく話なのだけど。
大人になって、楽器を弾きたい人。私も含めてたくさんいらっしゃる。
特に稲垣さんと私はほぼ同世代で、嫌々ピアノを習っていたのも同じで。そして辞めたのも同じで、そしてまた弾こうかな?とピアノを再開したのも同じで(ただし、私は先生についてないし、家の小さな電子ピアノで細々と練習しているので、かなり迫力が違うけど)
なんか、共感得られそう!と思って読んでみたのだけど。
書き物のプロが、書き物のためにピアノを習うというのは、相当の覚悟だったことがわかった。
私のように、別に続けようが辞めようが誰にも責められることはない環境でボソボソと練習しているのとは全然違う。
本当に考えて練習している。
同類だから、共感を得たくて読み出したのが、全く違って、感心することしきり。
特に。。。
ある時、稲垣さんは、なかなか弾けない部分で苦しむ。
右手の指が思うように動かない。
なんとか動かそうと、ピアノだけでなく家のちゃぶ台の上でも練習する。
なかなかできない。そこで、あ!と気が付く
実は思うように動いてくれないのは、体だけではなかったのでさる。
脳も動いていなかったのだ。
努力だけではどうしようもないことがある。しかもその大きな原因は脳の老化だったのだ。
脳を鍛えるつもりが脳のどうしようもない劣化に気付く羽目になったのである。いや全く、人生はそんなに甘くはないのである
読みながら。。あー!と叫んだ!
1日休んで次の日弾けないのは、筋肉の問題もあるけれど、それは若い人とかトップレベルの演奏家はそうかもしれないけど。
還暦一歩手前の私の場合、それに加えて脳の問題。。。。
昔のことは覚えてるけど、最近のことは覚えていない。
それが、チェロのレッスンにも現れてる。。。
1日で消える記憶。。。。。
多分、100日くらい連続で弾いていれば、脳は老化しても筋肉が覚えて忘れにくくなるのかもしれないけど。。。
1週間やそこらでは、筋肉も脳もあっというまに忘れてしまって。。。
元も木阿弥。。。。
なるほどねえ。
感心している場合ではないのだけど。。。。
老化とはこういうものかと。。。。
嘆いていても、解決しないので。
とにかく休まないように。
でも、無理のないように
頑張ろう。。。。