チェロとお昼寝

趣味のチェロとか とにかくもろもろ。アラ還主婦のつぶやき

終活 は、まだ新時代

私も還暦間近になってきて、先のことを本式に考えなくてはと思うようになってきた。

きっかけは88歳の母。そして母の世代のお年寄りの生活を見ていて、どんよりとしてしまうことが多いこと。

確かに母の母、明治時代終盤生まれの世代に終活というものはなかった。

祖父母たちの終活はせいぜい財産をどうしたいかという希望を書き残すくらいで、家もそのまま、介護も子供たち任せ。

亡くなった後の整理は子供がやるものというルールがあったと思う。

 

それはそれで大変だったろうし、苦労も多かっただから。

母たちの世代は「終活」という言葉を作り、死ぬまで、死んだ後の段取りを考えるようになった。

しかし。。。

その次の世代の私が、母の世代の終活を見ていると

「???」という終活が結構ある。というか、「お手本にしたい!」という方にほとんど巡り合わない。

 

家を小さくしようと、退職後夫婦でマンションに引っ越す。

これはよく聞く話だけど。

私の知り合いのご夫婦は、エレベーターを降りて、また階段(それも結構急な階段)を登らなければ部屋に辿り着かない部屋を購入した。

「足腰鍛えるためにいいと思って」とおっしゃっていたが、80歳を過ぎた今、ご主人が足が弱ってきて、家から出るのを渋るようになってきた。

足が鍛えられるうちはまだいいのだけど、歳を取れば大半の方は足が弱る。せっかく退職してからの引越しなら、なぜ動きやすい部屋を選ばなかったのだろう・・・・

 

80歳を過ぎた叔母夫婦は今から地方から東京に引っ越すという。

80歳になって免許を返納したが、近くにはスーパーがなく、生活にものすごく不便なことがわかったので、都会に住みたいとのこと。

子供はいない。今住んでいる広い一軒家を片付けていくというが、数年前に行った時は、全くそんな雰囲気はなかった。そして、叔母が片付けをしようとシャカリキになった途端、膝を壊した。引越しは夢に終わりそうだが、だからと言って、どうやって人生の終わりを迎えるのだろうか。。。。

 

 

母については、家の断捨離はうまくいって、今のマンションに移る時は小さい荷物になっていた。

しかし、それ以外は、はっきり言って全く考えていない。

預金の整理はめちゃくちゃ。そしてこの先、どういう希望があるのか、さっぱり考えていない。

多分、動けなくなるまで今の家にいて、動けなくなったら入院。と浅く考えているのだろうが。

どのくらい動けなくなるまで、家にいたいのか。(寝たきりになっても家にいたいのか。下の処理ができなくなった時点で施設に動きたいのか)わからない。(いくら親子でもこちらから相談できない)

そして動けなくなって、どこまで生命維持をしてもらいたいのか。

胃瘻をしてもいいのか。それは拒否するのか。

今の母は全く考えていない。

そして、

今後の母の生き方について、母の意志は聞くことができず、全て私が1人で決めるのだろう。

ものすごく重い。

 

こんな重いことを、私は息子に託したくはないし。

勝手に考えてもらいたくもない。自分のことは自分で決めたい。

自分で生活できるように、環境を整え(住居環境を終活仕様にする)、動けなくなってからどうしたいのかの決定をあらかじめ決めておこうと思う。

 

どんなことを決めなくてはいけないか、先例があまりに少な過ぎて、自分の想像力を頼りにするしかないのだけど。でも時代は確実に新しい「終活」を求めているので、そのうち時代も追いついてくるに違いない。

できるだけ、死ぬ時にあたふたしないように。それが人生最後の目標になりそうだ。