チェロが突然、壊れた
テールピースという、楽器の下の方にあって、弦を引っ張っているところ。
木(柘植、黒檀、ローズウッドなど)でできていたり、樹脂(プラスチック)で出来ていたり、色々な種類がある。
結構、音に影響するとかで、色々替える人もいるのだけど。お金もかかるし、手間もかかる。
ややこしいのは、どの材料で作ったものが良い音が出るか、全く不明なこと。
楽器によって合う合わないがあるらしく、
高いものが良いという訳ではなく、安い(樹脂製)のものの方が良いこともあり。
加えて、取り付けてみないと良いかどうかがわからなくて、取り付けも素人が出来る技ではないので
こっちがダメだらあっち!なんて簡単に言える話ではないので、運に任せる 話らしいのです。
私のチェロは購入当初から黒檀で出来たものがついていたのですけど。
それが5年ほどで、突然欠けた。。
前の楽器は30年ほど使ったが、一度も欠けることは無かった。
「たまに欠けることがあるらしい」と話には聞いていたけど、まさか自分がそんな目にあうとは。
何が困るって。。
弦がつけられないので全くひけません!
弦をつけられない状態は楽器にとってもよくない状態。早くもとにもどさなくては‼️
焦りながら、楽器屋さんに電話。
「あー。今物凄く混み合ってるんですよ」と、楽器屋さん済まなそうにおっしゃるんです。
4月だからか?楽器の調整したくなる時期なのか?
それとも壊れやすい時期?
そこの楽器屋さんは、アマチュアにでも親切に対応してくれるので(アマチュアと見ると相手にしない楽器屋さんが多い)客がわんさか来るんですよね。
いつもなら、調整なので「あー、じゃあ空いてきた頃にお願いします!」と、言いますけど。
今回はダメです。壊れて弾けないのでそんなに大人しく引き下がれません!
「とにかく持っていくから、楽器置かせてください。時間が空いたらすぐとりかかれるように」と、懇願して。。
次の日の昼頃もって行くことになりました。
電話を切って気がついたのですが。
車がない!
夫がスキーで乗って行ってしまったのです。
明後日になれば車も戻ってくるのですが。
もう心は「修理」に向かっていて。
「明後日」という選択肢はありません!
そこで気が付いたこと、もう一つ。
明日は昼過ぎから「水泳教室」だった😰
こういうときは、重要度を考えて、スッパリと予定をキャンセルする。
それが自律神経を穏やかに保てる秘訣だと。。
愛読書には書いてありました。
緊急の用事というのは、忙しいときこそ入ってくるものです。
さて、その際に最初にやるべきことは何か。
それは、間違いなく「次の予定を諦める」ことです。
自分の体の状態を整え、100%の力を発揮するためにも、スッパリと次の予定を諦める。
緊急時に求められる意識です。
まさに、今、その時なんですけどね。
「キャンセルは嫌」
水泳も今、教え方の上手なコーチになって、ノリノリなんです。振替も無いし、本当に休むのは嫌。
ついでに、来週は姑のお世話に出かけるので、休まなくてはいけないので。今週は絶対に出席したい。
結局、どっちもやることに決めました。
背中にチェロ を背負い、肩には水泳用のリュック(結構大きい)を背負い。。
とても還暦直前のおばさんがやる行いとは思えませんが。
もう、やるから(笑)
しかし、
マンションを出ると、なんと、雨。。。
さっきまで晴れてたのに。。。
チェロに水泳リュック、そして傘。。
もう、後には引けない。。
黙々と駅まで(15分)歩いて、電車に乗り。
はぁ。。と座り込んだところで、知らないおばさまから声をかけられる。
「それってチェロですか?」
おばさまはクラシックが大好きで、N響の会員を50年近く続けていらっしゃるとかで。。
「私も楽器をやれば良かったといつも思うんです」
と、嬉しそうに私のチェロを見ておっしゃる。
重くて、凄く疲れていたのだけど、そんな風に声をかけられたら、丁寧にお返事しなくてはと、頑張ってお相手し。。。
楽器屋さんに到着したときは、ヘトヘト。。
楽器屋さん、開口一番に
「山でも登るんですかぁ??」
と不思議そうに、質問されました。
チェロ の修理に来たはずなのに、なんで大きなリュック背負ってるんだ!大事な楽器運搬してるんだから、もっとスマートに来いよ!って感じでした(笑)
楽器を預けて、軽くなって水泳に。
そして買い物をして、チェロ の先生のお家に。
修理が長くかかることを心配された先生がチェロを貸してくださると。。。
ありがたい。。
ただし、「3万円」のチェロだそうで。。
多分、それより安いチェロってないんじゃないかという、安いチェロです。
先生が弾かれても、「あー、安いチェロだなぁ」とわかるほど。(かなりボロボロのチェロでも上手な方が弾くと物凄く良い音になるんですが、この3万円チェロはそれも不可能なほどの凄いチェロ)
でも、ちゃんと音程は出るし、使えます。
ありがたく受け取って、帰宅。。
先生の家から、自宅まで、距離的には500メートルくらいなのですが、結構高い山を登って下らなければいけない。。
チェロとリュック背負って、本当に山登り(笑)
ヒーヒー言いながら、帰宅。
物凄い長旅をした思いでした。
予定を、全てこなして、やーよかった、良かったと満足なんですけど。。
2日たった今もなんか疲れが残ってます。
やっぱり、急な予定が入ったときは、もとある予定はキャンセルする。
方が、良いんだなぁ。
と、つくづく思った還暦間近のワタシです。