今母がお世話になっている老人病院。
朝起きるとパジャマから日常服に着替えている。
衣類の持ち込みは、許可されていない。(どうしても着たい!というものは許可するけど、洗濯も管理も自分でしてね。と、誓約書まで書かされるのできっと誰も持ち込まない時思う(笑))
病院の服なら、無くなろうと、ほつれようと、汚れようと大きな問題にならないけど、個人の服だと色々問題が起こるので。というのが病院の説明だった。
そこまで徹底しているおかげで、皆さん一人一人違う服で、こざっぱりとした服装で、しかも明るい色を着ていらっしゃるので見ていて気持ちが良い。
希望があればアクセサリーも貸してくださるようで、この前のコンサートでは、首も固定しないと座れないおばあさんが、イヤリングをして、カチューシャをしていらした。
きっとおしゃれ好きな方なんだろうと思った。
夜になるとパジャマに着替えるらしい。(まだ見たことがない。)
このパジャマも病院のものだけど、一人一人違うものらしい。
病院の説明では、
「患者さんのその時その時の状態でパジャマの種類を変えている」そうだ。
ボタンがつけられる方は、ボタンのもの。
上から被れるものが良ければ、それを用意する。
色も模様も色々あるらしい。
とにかく、統一した「病院服」は着ない。のがポリシーだとか。
(お見舞いに行く時は洋服に着替えているのでパジャマ姿は見たことがないので、話だけ)
でも、寝たきりになると着替えやおむつの替えで、普通のパジャマでは苦痛になるから、「浴衣」のパジャマに変わるそうだ。
病院の方曰く「普通のお家ですと状況に合わせて次々とパジャマを変えるのはなかなか大変ですから。それは病院の強みです。」
なるほどねぇ。
さすが、プロ。
家にいたら、色んなことに追い立てられてパジャマのことまで考えないわよね。
そういえば、昨年の冬に母に冬用のパジャマを買った。持っていたのが悲しくなるほどボロボロで、しかも寒いと着込んでいたので、厚いガーゼ地のパジャマを買ってみた。
ついでに、柄は大きな花柄で、ピンクに近い紫色。
母のパジャマとしては結構華やかな柄だった。
躊躇するかな?と思ったのだけど、見た途端喜んで着てくれた。暖かいし、触り心地は良いし、気に入ったらしい。(柄については褒めてくれなかった(笑))
転ぶ日の朝までそのパジャマを着ていた。
入院して、空になった母の家に片付けに行くと、そのパジャマがキチンと畳んでベットの上に置いてあった。
もう着ることはないのかな?と、思うと少し切なくなった。
と同時に、ボロボロのパジャマじゃなくて華やかなパジャマが残っていた良かったとも思った。