もうすぐ88歳の母
昨年、外出先で転んで腕を折ったときは、つまづいて転んだらしい。
その後もけつまづくことは、何度かあったけれど。大事にはならないでいる。
とにかく、注意して歩いて!と周りから言われて母もとても注意していたのだけど。
つい最近、台所で転んだ。
顔面から転んで、プラスチックのメガネが割れた。物凄い衝撃だったのだろう。
何につまづいたの?と聞くと。
母曰く「ふらっとした」そうで。
ふらふらとして座りこむのではなく、冷蔵庫を開けたまま、ドアに激突したらしい。
プラスチックのメガネが割れたくらいだから相当の激突だったのだろうと思う。
激突後、後ろに跳ね返されて、尻餅をついたらしい。
狭い台所だったおかげで頭を打たず、尻餅がつけたということと、顔を激突するのも、メガネが防御してくれたおかげでクッションになったようだ。
メガネが割れたのが目の周りに当たったのだけど、ほんの少しの切り傷だけで終わった。
多分、物凄くラッキーな事故だったのだと思う。
私は近くにいて、尻餅をついたところで台所に飛んで行ったのだけど。
目が痛いと言っていたが、切り傷とわかるとちょっと安心して、立ち上がり、あとは普通の生活に戻れた。
怪我自体は大きく無かったけれど、
「何もなくても転ぶ」
ということにはびっくりしたし、途方にくれた。
もちろん若い人でも貧血でばったりと倒れることはあるけど、母の場合けつまづいて転ぶのもあり、ふらっとして転ぶのもありと、転ぶ要素が多すぎて。
しかも、まともに転んだら下手すれば寝たきりになる。
考えただけで怖い。
何でふらっとするんだろう?どうしたら良いんだろう?
と、悩み、ケアマネさんに相談したら。
「あらぁ、そんなことがあるんですかぁ。困りましたねぇ。」と、びっくりされて、
最後は「自律神経かもしれませんねぇ」
と、近所の方と井戸端会議をしてるような会話だけだった。
プロだと思って相談したのに、かえってイライラして、相談するんじゃ無かった。と反省した。
やっぱりかかりつけ医に相談か。と思っていた矢先、テレビの「徹子の部屋」に出演していた樋口恵子さんの言葉にびっくりした。
石や段差に蹴つまずいて倒れるのが75歳
立ってるだけで倒れるのが90歳
なんです!
樋口恵子さんは現在90歳。
この言葉は若い頃に100歳のお年寄りから聞いたのだという。
その時は意味がわからなかったけど、自分が90になってみて、ようやくわかったそうで。
ある日突然顔面から転んだのだそう。
何の予兆もなく、バタッと。
それで、あの時お年寄りが言っていた言葉の意味がわかったそうで。
ちなみに、相手の黒柳徹子さん(89歳)は全く信じていなかった(笑)
「えーそんなことあるのー」と、びっくりしていたけど。
テレビの前の私は、
「あるある!これだ!」
もちろん、それで何の解決にもならないのだけど、年をとるとそんな現象がある。ということがわかるだけで、物凄く心が軽くなる。
樋口さんの話では、この時期を「ヨタヘロ期」と言うらしい。
この後、ドタっと倒れて寝たきりになって亡くなると言うのが、大部分の人が通る道だという。
「ピンピンコロリを皆さん熱望しますけど、そんな方は僅かです。」
とのこと。
だから、ヨタヘロ、ドタっの為に、皆準備をしなくてはいけないのに、皆やらない。
これは物凄く問題だ。とのこと。
なるほどねぇ。
じゃあ、どうすれば良いのか?
身体の変化に応じて、心身の変化を目を逸らさずにキチンと見つめて、ヨタヨタ、ヘロヘロになってもある程度市民として、社会参加できるようにと思っているんです。
ヨタヘロ期でも、社会参加できるように、準備しなければいけない。
話は母に戻るが、
ヨタヘロ期真っ盛りの母。
突然倒れることに防止策がないのはわかった。
でも、倒れたときに早く見つけられるようにもう少し頻繁に(今まで朝晩の食事の時と夜寝る時、あとヘルパーさんが来るときに忘れていないか確認に行っていたが、もう少し頻繁に)見回りに行こうと思う。
出来る範囲で(ここ大事!)
しかし、ヨタヘロ期で突然バタッと倒れた母は
昨日、東京駅まで友達に会いに出かけたとか。
(後から知った。事前にそんな雰囲気はみせなかった)
手押し車を押して、どうやって電車に乗ったのだろう?
友達もびっくりしただろう。(同級生だけど、地方から1人で出てくるくらいだから元気なのだろう)
話を聞いたとたん。こちらがふらふらした。