教えて頂いているチェロ の先生はフランスに留学経験がある。
3年もボルドーに行っていらしたとか。
「それならワインもフランス料理も満喫されたのですね」
と、羨望の眼差しで見つめたら。
「いえいえ、そんな余裕はなくて」
と残念そうに言われる。
下宿先とレッスン場の往復だけ。
週末に1週間分の食料を買い込んで、食料が尽きるころはにんじんをかじって練習してたとか。
遊学とは程遠い。
だから、こんなにステキな音を出せるのね。
納得とともに、プロになるのは本当に大変と思う。
尊敬。
それでもフランスの風にあたっていたので色んなカルチャーショックを体験したそう。
例えばフランスの泥棒
フランスの泥棒は家具、家電とにかく家の中の全てのものを持って行ってしまうとか。
金目のものを物色するとか、そんなことはないそうで。
家に帰るとすっからかんの家で呆然とするとか。
先生のお友達は、家に帰ったら丁度泥棒さんが荷造りしている最中で、そこで大暴れして被害を免れたとか。
すっからかんも嫌ですが、泥棒と出くわすのも嫌ですけどね
音楽で言えば、いろんなことに影響されるのだそうです。朝はだめとか、天気が悪いとだめとか。心理的な影響もものすごく出るし、そしてそれを認めてしまう社会だとか。。。
だから出来不出来の差が大きいけど、出来たときは、物凄いそうで。
日本では考えられないこと。多分、ドイツでもあり得ないんじゃないかな?
ラテン系の特徴?
でも、芸術を愛する気質は小さい頃から育てられていて、フランス人の弾き方はどんなものにも味があるとか。
元々、先生がフランスに留学と思ったのが「音階でさえも芸術的に弾くフランス人に学びたい」と考えたことが始まりだったそうで。
小さい頃から自分の音楽を作ることを考えるように指導しているそう。
音階も音程とリズムが一定ならそれで良いと言う感覚は無くて、音階の中で音楽になってるとか。
これがアジアの弱いところ。
私も先生に習っていて、音階もソルフェージュも、音楽的に弾くように何度も注意を受ける。
エチュードさえも(練習曲)日本古来の音楽教育から出てきた象徴的な弾き方(ずんちゃんずんちゃんと弾く)をしていて、「それはちょっと違うなあ。。。」と呟かれる。
それでも1ヶ月くらい弾き続けていると、ある時突然、曲の形が見えてくる。ここまで行くと先生のOKも近い。
問題は、曲が変わるとまた、ずんちゃんずんちゃんに戻ってしまい、また先生のため息と共に曲の形がわかるまで迷走(1ヶ月くらいね)することになる。だからか、同じ本(ドッツアウアーの1巻)をもう3年くらい使ってるのだけどまだ終わらない。これだけ使われるとエチュードの本も安く感じる。
ただ。。
うまく行かないなぁと思いながら、結構楽しんでる。
若いころは、焦りもあったけど焦っても仕方ないことが段々とわかってきた。
突然に開眼する訳でもないしね。
じわじわとやるしかない。
でも、
コロナも終わってきたし、暖かくなったら綺麗なものを色々見るために出かけたいと思う。
来月から、我が家の周りが変わるのです。
それについてはまた次回。