今週のお題「カバンの中身」
昔読んだ向田邦子さんのエッセイで、カバンの中身をひと様に見せられるか否かというくだりがあった。
すべてうろ覚えなのだけど。。
ある人のお父さんが突然娘のカバンの中身を見せてみろ!と言った。
娘さんは躊躇することなくカバンを開けたら、物凄くキチンとしていて、お父さんは誇らしげだった。
その話を読んだ向田邦子さんは、「私が父からそんなことを言われて、見せたら父は激怒すると思う」
と書いておられた。
向田邦子さんは整理整頓が苦手で、家の中ももちろんカバンの中もごちゃごちゃだとか。
薬局に勤めていたころ、会計の時に嫌でも患者さんのお財布を見る。お財布というものは物凄く目立つもので、お財布をぱんぱんにしている人、ボロボロのお財布を出してくる人、逆に綺麗なお財布をもって、札の向きまで揃えている人、とにかく色々な人がいた。
お札の向きまで揃えている人は、何もかもキチンとしていた。カバンの中のお財布の位置まで決まっているようで、同じ位置から財布をだし、同じ位置に財布を戻している。
キチンとしている人ってすごいなぁといつも感心して見ていた。
20代の私のカバンは本当に色んなものが入っていた。
財布、化粧品はもちろん、薬、本、手紙を書くかも、と手紙セット、文房具その他モロモロ。
酷いときは辞書を入れていた時もあった。
とにかく必要かも!と思うものは何でも入れていた。だからカバンの中はぱんぱん。
若かったせいで荷物が重くても全く気にならなかった。重くてカバンの紐が切れたことも何度もあった。
万一、事故にでもあって、救急車で運ばれて、身元を確認しようとカバンを開けられたら恥ずかしいと思うから、絶対事故には合わないでおこうと固く決意するほど(笑)カバンの中はごちゃごちゃしていた。
今は、歳をとったので、カバンは出来るだけ軽くしたいと、まずは皮のカバンは辞めた。
中身も余計なものは入れなくなったし、なるべくコンパクトにしようと、本も文庫本ばかり入れる。化粧品だって、口紅くらい。コロナでマスク生活になったら、それも入れなくなった。
小銭入れも重くなってくるとコンビニに行って、レジの小銭入れにじゃばーっと入れて小銭を減らすようにしている。
それに、毎日、帰ってくると中身を全部だす。そして、要らないものは廃棄する。
次の日新たに必要なものだけ入れる。
それだけやれば、カバンはスッキリするだろうに。。
確かに朝はスッキリしている。
でも、出かけていると色んなものが増えてくる。お店でもらったパンフレットとかレシートとか、買ったものとか、ポンポンとカバンの中に入れるとカバンの中はごちゃごちゃになる。
そんなことをしてると
お店で、小銭を出したいのに、小銭入れが見つからない。あわてて探す。店員さんは、じっと待っていてくれるけど、後ろに誰か並んでいたら、焦ってしまう。そんな時は仕方なく、お札をだす。
(お札入れと小銭入れが別になっているのが悪いのだけど、お札入れは亡くなった舅が初めてくださったものなので、何となく捨てられない)お札を出せば、おつりに小銭が戻ってくる。
その小銭を入れる小銭入れが見つからないのだから、もう面倒になって、カバンの適当な内ポケットにジャラーと小銭を裸のままいれる。
そんな時は、カバンもカオスになってるけど、頭の中もカオス。ぐちゃぐちゃだ。
しまいには、家に到着して鍵を出そうとしてもなかなか見つからず。
疲れた身体がもっと疲れる。
どうしてこんなにごちゃごちゃになるんだろう?
と、思っていた。
アンサンブルの練習で休み時間に先生がカバンの中身を全部出していた。
先生の荷物はとても多い。
でも、先生は全部だして、またカバンに詰め直していた。
詰め直したカバンのなかは、私から見てもキチンとしていて見ていて気持ちが良かった。
もしかしたら。。
朝スッキリしているカバンを一日中スッキリさせたいなら、1日何回かカバンの中をチェックして整頓させないといけないのかも。
私のように、次から次へとカバンに放り込んでいれば当然ごちゃごちゃになる。
でも、どうやって整理整頓しているのだろう?
新しく入れるものは、場所を決めているのでしようか?
そこんとこ、教えてほしいです。
昭和41年10月20日(木)
鯛油焼き(ムニエル)
ほうれん草ごまあえ
納豆
しじみの味噌汁