暑い。
暑くても暑くなくても鰻は美味しい。
我が家の近所の鰻屋さん。
入り口の狭い水槽に所狭しと鰻が泳いでいて。
居酒屋も兼ねている店舗は、お世辞にも綺麗とは言えないし、もの凄く狭いのだけど。
いつもお客さんで一杯だった。
我が家はいつもテイクアウトで、お店に受け取りに行くといつもお店はお客さんで一杯だった。
普段はもちろん、コロナでお酒が出せないときも、いつも一杯だった。
お酒がなくても鰻はあるからそれでお客さんは充分なのでしょう。
テイクアウトは鰻重だけだけど、お店で食べるとまた違う美味なものもあるらしい。
テイクアウトの鰻を待ちながら、楽しそうに食べて飲んでる人たちを見るのも結構楽しかった。
遠くまで上等のお店に行かなくても、ここで充分だよねぇ。と年に何回か、鰻を頬張る日を設けていたのだけど。。
半年ほど前に。閉店した。。
車で通りかかったら、お店の雰囲気が違うからあれ?と思って、車を降りて確認したら、
お店は空っぽになっていた。
気づいたのが遅いのか閉店のお知らせの張り紙もなく、とにかくお店が無くなっていることだけがわかった。
あんなに繁盛していたお店だから、何処かに移転したのかな?と期待してみたのだけど、隣の八百屋のおじさんに聞くと
「もう忙しいのに疲れたらしいよ。ゆっくりしたいって辞めちゃった」
とのこと。。
返す返すも残念な閉店。
店が閉まればまた別の良いお店が見つかりそうなものだけど、我が家の周りは本当にどんどん減る。
そして新しいお店も出来るのだけど、これが皆「残念」なお店ばかりで、
例えば。。
焼き芋屋が出来た。
3種類のお芋を焼いていると外に書いてあるから、どれにしようかな?と入っていったら、1種類しかない。「他の種類は?」と聞くと、即座に「ありません!」と返事がきた。
今日だけがないのか、明日になったら入るのか?何の説明もなく、「ありません!」で終わる。
「そうですか。わかりましたぁ。」
と、言って出てきた。
そこで私との繋がりは切れた。
個人店なので応援したい気持ちはとてもあるのだけど、いきなり、「No」を突きつけられてはもうどうしようもなくなる。
うなぎに戻るけど。。
美味しい鰻が食べられなくなって、初めての夏。スーパーには鰻が山ほど並んでる。
でも、あの鰻屋さんの鰻に比べたら、どの鰻も大したことはないことはわかっている。
結局、安くて大きめの鰻を一枚買った。
家に帰って、鰻を魚焼器でタレをつけながら焼いた。
それをザクザクに細かく切って、香味野菜(つまみ菜、茗荷、青ネギ、大葉)をいーっぱい切ったものに混ぜ合わせた。
それをご飯と混ぜ合わせて、
自家製「ひつまぶし」の出来上がり。
家族にはかなり好評で、87歳の母は無言でおかわりしていた(笑)
この夏の我が家の「鰻」はこれでおしまい。
美味しい鰻屋さんを見つけるまで、これで行こうと思う。。
早く美味しい鰻重食べたいなぁ。。