チェロとお昼寝

趣味のチェロとか とにかくもろもろ。アラ還主婦のつぶやき

筋肉は覚えているらしい。。

ひじ上げてーひじあげてーひじ下げないでーひじ上げてー

チェロの先生叫んでます(笑)

チェロの構えのことなんです。

まるで手旗信号の練習みたいですけど、

手旗信号と違うのは、「絶対下げることがないこと」

つまり。ずっと上げてるんです。

右手も左手もとにかく肘上げてーと、先生に連呼されるんですけど。

肘上げると疲れるんですよー。

数分すると下がってる(笑)

でも、下がるとすぐ音に影響するんです(笑)

 

右手が下がると、隣の弦に弓の毛が当たって、いつもカサカサ隣の弦が鳴っている。。

 

左手が下がると、触っちゃいけないところに指が当たって、細い弦だとすぐ鳴っちゃうのでやっぱりカサカサと変な音が鳴り続ける。

 

両方の手が下がるとそれこそあっちもこっちも

カサカサ、カサカサ

何とも言えない音楽になってしまう。。

 

肘は上げなくちゃいけないんですけど

肩は下げないといけないんです。

肩に力入ってよいことは何もないし。

 

あと、腰からももにかけて、体幹をしっかりしてとか、

「身体に覚えさせてください!」

って言われるんですけど。

なかなかねぇ。

 

随分と前の話ですが。

知り合いのおばあさん(80歳の時)が自転車とぶつかって大怪我をしました。

自転車と言ってもロードレーサー。しかもスピードつけて坂を下がっているときに、小道から出てきたおばあさんとぶつかって。

目撃者の話では、おばあさん空中に高く飛んだそうです。車より高く。

目撃者(近所の方だったらしい)は、「あーもうダメだ」と思ったらしい。

ところが、そのおばあさん、空中を1回転して、手をついて、でも、流石に腕だけでは支え切れず、顔が地面に激突して。

顔はもちろん血だらけ。皮膚は大変なことになったんですけど、骨は大丈夫だったとか。

80歳です。

病院の先生もびっくり。

もちろん、後頭部から落ちたら即死です。

唇のまわりを大怪我なさって、なかなか食事ができなくて、苦労なさったようですが。

2ヶ月後、お家に伺った時は、もうお元気でした。腕を吊った状態で、お顔もかなり黒ずんでいらしっしゃいましたけど、スタスタ歩き、事故の模様を詳しく早口で話してくださいました。

 

その頃30代だった私は、その凄さが今ひとつわからず、「ご無事で良かった!」と喜びあっただけだったけど。

思い返してみると。凄すぎる。

空中回転って。80歳で、骨折なしなんて。

 

おばあさんの話によると。

40歳のときに、柔道の黒帯をとったとか。

弘道館始まって以来、最年長だったとか。

小さい頃からやっていた訳ではないらしいんです。

やる気はあまり無かったのだけど、大人のお付き合いで断り切れずに始めたのだそうです。

でも、やり始めると楽しくて、黒帯狙ってみようかと。

黒帯取るには、空中回転が必要なんだそうです。40歳で、大して運動も得意じゃ無かったのだけど、空中回転しなきゃ黒帯取れないから、ベッドの上で練習したそうです(笑)

で、無事取ったと。

取ったら疲れ果てて、辞めてしまったそうですが(笑)

 

おばあさんの話では、もしかしたら、空中回転したのは、柔道のおかげじゃないかと。。

ずっとやって無かったけど、身体は覚えていて、対処できたんじゃないかと。。

40年も前でも、覚えてるか?

とも思いますが。でも、自転車の乗り方は一度覚えると、ずっと覚えているように

受け身の仕方も覚えていたのかもしれないですねえ。

 

話はチェロに戻ります。

一度覚えると、身体はちゃんと記憶を持ち続けてくれる。

そうか、チェロの構えもね。

肘上げて。肘上げて。と練習、練習。

 

今日もチェロのレッスンに行きました。

「あの。左の肘あげすぎです。もう少し下げて。下げて、肘前に出す感じに。。」

えっ!上げればいいんじゃないの?

 

ものには、程があるようで。

その、「良い加減」が私はなかなかわからない。

覚えさせるどころか、「正しい形」がわかるまで、まだまだ時間はかかりそうです。