結婚してびっくりしたことの一つが
夫と私の子ども時代の日曜日のテレビ
結構同じで。。
もともと趣味が違うので、見ている番組は全然違うのに、日曜日は同じ。
夫と私というより、それぞれの家族が見ている番組が同じだったみたいで。
昔は、ビデオも無かったのでテレビは「生」で見るものでした。
だから、「チャンネル争い」という言葉が頻繁するほど、テレビの主導権は、大切な重要なもので。
平日は子どもが主導権とってるのですが
日曜日は、完全にお父さんとかおじいちゃんとかが握ってて。かなりつまらない。
番組も日曜日はそれに合わせてあるのか、
子どもには全然面白くなくて。。
ちなみに、夫の家と共通する番組は、
朝8時くらいから
「時事放言」
2人の政治評論家が政治を語る30分番
組。今思うと不思議な番組でした。
でも、絶対に見る番組でした。
親戚の家に行っても、同じでしたので
結構な視聴率だったと思います。
そして9時くらいから
「兼高かおる世界の旅」
兼高かおるさんが世界中を旅する番
組。海外旅行は憧れでしたから、母
も私も憧れて見てました。
その後は、お父さんの「囲碁」とか「ゴルフ」とかが続いて(子どもの番組は無かったなぁ)
夕方6時くらいから
「サザエさん」
夜は8時から
「大河ドラマ」
夫の家は家族全員で見ていたらしい。私
は父と2人で見てました。
親戚はともかく、全く繋がりのない夫の家でも、同じものを見ていたって結構笑えるし、昔はみんなテレビ見てたんだなぁ。と時代を感じるのですが。
一致しないものもあって。
10:30くらいの
「題名のない音楽会」
11:00からの
「オーケストラがやってきた」
これは見てなかったらしい。
というか、夫の住んでいたところはチャンネルが少なかったので(TBSが入らない。だからザ・ベストテンとか金八先生とか知らない‼️)放映してなかったのかも知れません。
とにかく、この「題名のない音楽会」と「オーケストラがやってきた」は、クラシック音楽の入門編としては、凄い番組だったんです。
クラシックの「ク」の字も知らない中学生の私には、「題名のない音楽会」は、ちょっと難しいけど、黛敏郎さんの説明を聞いていると、賢くなったような気がして、見てました、どちらかと言うと拝聴してたって感じの格調の高い番組でした。
でも、「オーケストラがやってきた」は、
中学生の私でもきゃっきゃと笑えるほど、司会の山本直純さんがわかりやすく、面白く解説してくださって、本当に楽しい番組でした。
山本直純さん
その時は気がつかなかったのですけど、
出演者が凄かった。
小沢征爾とか岩城宏之、中村紘子さんは司会の山本直純さんと仲良しということで出演するのもわかるけど、バイオリンのアイザックスターンとか、パールマンとかの、難しい顔して毎日暮らしてるような高貴な演奏家とか、数学者の広中平祐とかクラシックに関係なさそうだけど、物凄く有名な文化人続々とでて、あり得ないことを楽しそうに一生懸命トライしてる。オーケストラも、難しい曲を分解して、成り立ちとかも含めて説明してくれる。その意外さが楽しくて、毎週楽しみにしてました。
小沢征爾さんと山本直純さん
その頃定着していた、「お堅いクラシック音楽」のイメージを破って、「誰でも楽しめるクラシック音楽」にしてくださった、すごい番組だったと思います。
ただし。。
堅いクラシックを愛する方々には不評だったようですけど。(私の祖父は、「遊びの番組」と言って見てませんでした。)
その番組の音楽監督兼司会者だった山本直純さん。
この方のおかげでこの番組は成り立っていたのですが。。
作曲家であり指揮者で。
小学生から一流の音楽家について勉強し、小沢征爾さんの先生の斎藤秀雄さんに指揮を習い、岩城宏之さんと芸大の指揮科で学んだ経歴があり、小沢征爾さんでさえ
「かなわない」と言うほどの、もの凄い音楽の才能を持った方だったんです。
クラシックで言えば、
新日本フィルの設立に小沢征爾さんと尽力をつくし、
クラシックを広める努力をなさり、
ポピュラーでは
映画「寅さん」の音楽
寅さんを思い出すとき、頭の中でテーマ曲も鳴るのは、私だけかしら?
山本さん作曲
新おばけのQ太郎も山本さん。
あのねQ太郎はねー
頭に毛が3本しかないんだよー
QQQQQQ Q太郎はねー
お化けなんだお化けなんだお化けなんだけれど
他にも、うちの息子も歌ってた
一年生になったら〜
こぶたたぬききつねねこ
大人気番組だった
8時だよ全員集合のオープニングソング
戸締り用心日の用心(日本船舶振興会のコマーシャル)
笹川会長とか高見山とかが出てた。
今でもすぐにメロディが出てくる曲を沢山作っていらっしゃる。。
もともと持っていらっしゃる、「音楽」から裏打ちされたものがあるから、普通の人々の記憶にながく残るのではないかと思うのですが。。
クラシック音楽もポピュラー音楽も何でもできる天才だったんですよね。
ただ、
その「軽い」世界に足を突っ込みすぎたことで、堅い世界になかなか戻れなかった。それと、絶頂期に起こしてしまった
「交通違反事故」(無免許運転の上、警官の停止を振り切って逃げた)から、人気が落ちてしまって。。
「面白い天才」の名前より、「才能あるけど面倒なおじさん」に変わってしまって、69歳で亡くなってしまいました。
亡くなったとニュースで聞いたとき、親友の岩城宏之さんが出てこられて「寂しいけど、めちゃくちゃだったから、なんかホッとしてる」と、おっしゃっていて。
晩年は山本さん自身もそして周りも大変だったのかもしれません。
でも、ファンとしては、あの人懐こい笑顔しか知りませんので。もっと教えて欲しかったと思います。
最近見つけたのが
このDVD
オーケストラがやってきた
のお宝映像が満載のようです。
欲しいんですけとねぇ。
高いんですよねぇ。
それと、ここに出ている方々、皆さん亡くなってしまっている。
ちょっと寂しいんですよねぇ。