3000万円のチェロを弾いてみたことがあります。
試奏OK!とネットで宣伝していたので、本当かな?と思いながら渋谷まで手ぶらで行ってみたら、本当に弾かせてくれました。
結構長い間弾かせてもらえて。
(本当によい楽器職人さんだった。)
でも感想は感想は、
「暴れ馬を調教しているような感じ」で。
素晴らしいのはわかるけど、私にはとてもダメだと理解しました。
ものすごく響くのは素晴らしいのですが、響くから弦が震えすぎて左手が押さえきれないんです。手が負けちゃう。
そして右手も弦が揺れるので、弓がコントロールできないんです。大波のなか、舟を動かしている感じで、右に左に前に後ろに勝手に動いていっちゃう。
きちんとした技術のある人しか、許されない楽器のようです。
楽器職人のおじさんに、
「宝くじ当たったら買いにきてー」
と言われたけど、
ごめんなさい。お金があっても無理です。
とってもよくわかりました。
3000万円のチェロ3台のうち2台はもう売れていました。
投資物件として買うのだとか。。。
あとアマチュアのお医者さんが買ったとか。。
全く次元が違う。。。
音楽家の手に渡らないというところが、なんかモヤモヤしました。音楽家に渡した方が楽器も喜ぶし、どれだけ有効に使われるか。。なかなか上手くいかないものです。
楽器の価値の大部分は、
裏板と表板の木で決まるそうです。
表板
裏板
木の素晴らしさで楽器の響きが決まる。
つまり、楽器の価値が決まるそうです。
それに職人の腕がプラスされて、付加価値がついて楽器の値段が決まるとか。。
そして、裏板はものすごく大事で、割れてしまうと楽器の価値は、無くなるレベルに下がるとか。。。
そうやって、値段は決められていくようです。
裏板で楽器が変わるなら、
「安い楽器も裏板だけ上等にしたら、良い音出るんじゃないの?」
と、楽器屋さんに聞いたことがあります。
楽器屋さん。
とっても困って
もう、アホすぎ!
っていう雰囲気を一生懸命隠して
(でも出てた(笑))
答えてくださいました。
「何でもバランスが大事なんです。裏板だけ上等ってあり得ません。」
なるほどねぇ。。