チェロとお昼寝

趣味のチェロとか とにかくもろもろ。アラ還主婦のつぶやき

エンディングノート

〇〇 〇〇の息子です。

病気療養中の母〇〇が亡くなりました。

葬儀は以下の通りです。

 

本当は、もっと丁寧な文章だったけれど。

とにかく、友人の息子から、友人の死亡のメールが届いた。

最初は「???」で。

いったい何なんだ?

友人のLINEから届いたので、

あいつ、何を訳のわからないことやってるんだ?

と思いながら。

何度も何度も文章を読んで。

やっとわかった。

 

同級生が亡くなった。

息子が知らせてくれたんだ。

 

大学時代のオーケストラ部の同期。

同期は12人ほどだが、そのうちの5人の女子で、何だかいつもつるんでいた。

そんなにつるんで、何を喋っていたのか?

思い出せないけど、とにかく喋っていた。

卒業後は、さすがにつるむことはなく。

でも、お互い良い感じの巾をとって、付き合ってきていた。

思えば卒業して40年弱。。

 

グループメールでたまーに近況を語っていたが、その友人があるときから参加しなくなっていた。

既読にはなっているものの、全く参加してこない。

どうしたのかな?と、思いながら、まあ忙しいんだろうと思っていたが。

ある時、用事があってメールすると

「実は病気で入院してるの」と返信があった。

お見舞いに行ってもよいと言うので、早速行ってみた。

久しぶりに会った友人は、抗がん剤で髪の毛が抜けていた。鼻にはチューブ。

お見舞いは、1人で来て。

という意味がわかった。

「こんなかっこ悪い姿あんまり見られたくないから」

友人らしい言葉だった。

病気もひた隠しにしていたらしい。

 

姿は痛々しかったけれど、口は昔のまま。

30分ほどの面会時間は、喋りまくって瞬く間に終わった。

「じゃあ、今度は退院したら、遊びに来て」と言って、友人が手を差し出した。

 

握手。。

 

今までこの友人と握手なんてしたことない。

そんな照れ臭いことしませんよ。

何でいま?

 

嫌な予感がしたけど。

拒否する意味もないので。

ギュッと握り返した。

力強い握手だった。

 

それから2ヶ月。

何度かメールのやりとりのあと。

退院したと連絡があった。

 

暑いから。

涼しくなったら、遊びに行くね。

「うんうん」

が最後になった。

 

亡くなったメールの最後に、息子さんの電話連絡先があった。

息子さんは産まれる前から知ってるし、エピソードも沢山知ってるが、直接喋った記憶がない。

そんな相手に、お母さんの友達から、電話がかかってきても、ドギマギするだろうなと思って。

ショートメールを打ってみた。

 

息子さんから返信がきた。

友人は、エンディングノートを書いていたらしい。

自分が死んだら、連絡して欲しい人の連絡先が書いてあって。

大学については、〇〇(私の名前)に連絡するように。

連絡して、「その他のメンバーに知らせるようにお願いして。」

と、書いてあったらしい。

 

息子曰く。

「その他のメンバー」って、どなたのことなのか僕にはわからないんですけど。。。

と、戸惑っていたが。

私にはよくわかる。

誰と仲が良かったか。

誰に連絡したいか。

 

部活だけでなく、研究室も。

息子さんには、「お任せください。ちゃんとやるから」とお伝えして、「その他のメンバー」に連絡した。

もちろん、連絡先がわからない人もいるけれど。

何人かにお願いすれば、また次にと繋がるので、瞬く間に連絡が広がった。

 

息子さんの話では、

大学だけではなく、それぞれのコミュニティの友人も連絡先が書いてあったのでお願いできた。

とのこと。

 

「しっかりした立派な母です。」

と、書いてあって、涙がでた。

 

友人は、随分前に離婚して。

1人で息子を育ててきた。

 

死期を悟った友人は、息子の為に、困らないように色々ノートに書いたのだろう。

知らせる人の連絡先はもちろん。

財産管理、その後の処理。

まだ独身息子で、ちょっと頼りない(友人談)息子の為に、辛い身体で、書き残したのだと思うと、とても切ない。。

 

でも、もう他人ごとではないのだな。

とも思った。

 

まずは、来週の葬儀。

エンディングノートを書き上げた友人に

「よく頑張ったね。」と、伝えたい。