昨日の続き
歯医者嫌いの夫が、抜歯に行くことになった。
ほったらかしていて、自然と歯が折れるくらいだから、抜歯といっても根はグラグラ。
とは言え、抜歯だ。
しかも歯医者嫌い。
1週間ほど前から、緊張している夫。
そして当日。
「今日は12時からだから予約をもって11時に出よう」
朝から、緊張感マックス。
うるさいな、と思いながらも、ここで反抗するのも大人気ない。
適当に(笑)合わせて朝を過ごす。
11時。
出かける時間だ。
向こうから、「あー!」
と声が聞こえる。
なんだ?
「今日11時からだった!間違えた!」
1時間間違えたらしい。。
あんなに緊張してうるさかった(笑)のに、肝心の時間を間違えるなんて。。。
20年ほど前なら、怒っていたと思う。
「これでどうやって社会で生きていけるんだ!」
と、不安に思って、どうにかしてよ!という感じで怒っていたと思う。絶対。
でも、今は違う。
感謝のココロでいっぱいだ。
勿論、夫にではない。
定年まで置いてもらい、嘱託でまだ雇ってくださる会社に心から感謝する。
会社、ありがとう😭
今が予約の時間なので、勿論遅刻だ。
夫は歯医者に電話している。
「15分ほど遅れます」と、言っているが。。
歯科医院はOKと言っているらしいが。
自宅から歯科医院まで、歩いて30分はかかるはず。
あー。運転していくんだ。
と、納得してたら。
「送って」と、電話を切った夫が言う。
夫は歯医者だが、私はこれからチェロのレッスンだわよ。
送ってたらこっちが遅れちゃうよ。
と、伝えると。
夫は、何も言わず。切なそうな顔をする。
しばらくの沈黙の後。
「わかったよ。送るわよ」
と、答える私。
夫が運転して行けば良い話なんだけど。
抜歯の前の緊張の中運転できない。
抜歯した後に運転出来ない。
だから、妻に運転してもらうのが1番だ。
と、考えているのだろう。(たぶん)
大急ぎで、夫を送り、帰ってきて。
チェロを用意して、あわてて家をでる。
先生の家は駐車場が狭いので、時間をかけて駐車することを考えると歩いて行った方が早い(私の運転が下手なだけだけど。)
但し、先生の家に行くには大きな坂を登って下らないといけない。
しかも、今日は暑い。
ぶつぶつ言いながら、チェロを背負い、坂を上り、下る。
先生の家に到着した時は、青息吐息。
レッスン中に、アップルウォッチが鳴った。
アップルウォッチには、LINEの内容が表示されている。
「抜けた!」
夫からのメールだ。
一言しか書いて無かったところを見ると、簡単に抜けたのだろう。
でも、一言に喜びが満ち溢れているのがわかる。
家に帰ってみると、インドカレーが3種類並んでいた。
「今晩はこれにしよう!歯もぬけたし。」
と夫。
抜歯は思いの外簡単で、麻酔が切れても痛みは出なかったようだ。(騒がないので多分そう)
やたらご機嫌の夫と、勢いに押されて笑顔になる私と息子。
まあ、これでよいのかな。と思うことにした。