良い人に見られたくて、出来るだけ「無理」と言わないでいた。
そうやっていると、「付き合いの良い人」になって評判は上がるけれど、やっぱり無理は無理で。
ある時、ちょっとそれはやめようと。決意した。
数年前の話。
これで楽になると、思っていたら。
あらあら。断るのって物凄く大変。
自分は良くても、周りが困惑して。
何で無理なの?どうして?
と、詰め寄る人が出てきて。
今までなら、面倒になって、もういいわ!と引き受けていたけど。それではダメとこちらも粘る。
もちろん、引き下がってくれる人がほとんどだけど、絶対引き下がらない人もいて。
こちらもキチンと説明すればよいものの、無愛想に反応するものだから、怒り出す人まで。
怒り出して、こちらに吐きかける言葉に結構傷ついて、何がなんだかわからなくなった。
想定外。。。
びっくり。。
こちらの、説明が足りないから、下手だから納得してもらえないらしい。
断るのも技術がいることをこの年になって知った。。
遅すぎる。。
でも、ここで元に戻すのはダメだから。
下手でも少しずつ断る技術を磨いていこうと決心した。
そして、チャンスがやってきました。
前に退団したオーケストラの人から、演奏会の受付のお手伝いのお願いが来た。
演奏のお手伝いではない。受付のお願い。
演奏会当日は団員は全員出演するので忙しい。
だから、外部の方に運営をお願いする。ステージマネージャーとか、写真撮影とか録音とか。
受付もそのひとつ。プログラム渡したり、チケット切ったり、アンケート回収したりと、誰でも出来る簡単な仕事なのだけど、演奏会前から演奏会の後の片付けまでいなくてはいけないのでほぼ1日仕事。拘束時間が長い。でも、お礼はお弁当と千円程度(交通費程度)でほぼボランティア。
ステマネや写真、録音はその仕事自体が趣味だからやりたい!と言ってくれるけど、受付はいつも集めるのに苦労する。休日一日潰すのは、皆抵抗があるから。
探すのはオーケストラの執行役員で、色んなところを探しまわって毎回やっとの思いで見つけている。
今回もそんな中でのお願いメールだと思う。
ただ、演奏会は4月で2ヶ月近く前なので、まだ探し始めた頃だと思う。誰かいないかなーと考えて、あー、あの辞めた人声かけてみよー。という感じでメールしたのだと思う。断られルーと思うけど、ちょっと声かけてみた。という感じだった。
で、私はというと。。
当日は用事は入ってないけど。
今ひとつやる気がない。
受付の仕事も何度かやったことがあるがそれほど嫌いじゃない。時間を取られるのがちょっと嫌だけど、同じように駆り出されてきた人となんてことない話をするのも悪くない。
でもちょっと。
2年近く前、コロナを発端にしてオーケストラが揉めた。
オーケストラで揉め事はしょっちゅうで。
それにいちいち心を痛めていたらやっていかれない。その時もそう思ったのだけど、気持ちに反して身体が拒否した。
別に個人的に揉めた訳ではなく、傍観者として唖然としながら見ていただけなんだけど、私の許容量を超えていたらしい。
こりゃダメだ。
と思って、退団した。
それから2年たって、今も団には近づかないでいる。楽しい時間を過ごさせてもらったけど、残念なことに、あまり聞きたくない。思い出したくない出来事のひとつになっていた。
今もそう。
だから断った方がよいなと思った。
キチンと説明して断ろう。
今までの私なら、用事を作って、
行きたいのに残念ですぅ❤️くらいの軽ーい言葉で断っていたと思う。
相手は懐の大きな方なので、どんな文章であっても大丈夫なんだけど。
今回はそれはやめようと思った。
出来るだけ穏やかに相手を思いやって、でも事実を説明して断ろうと思った。
初めてのお使い ではなく。
初めての断り状。
唸って唸って推敲して
と言っても書き慣れてないだけで大した文章ではないけど
メールを送った。
息子が来年大学受験だ。大変〜という軽い文章を前振りに書いておいた。
ちょっとして返信がきた。
嫌なことを思い出させたのかもしれない。ごめんなさい。
と書いてあった。
受付の話はそれで終わって、自分の息子の大学受験の思い出(終わったばかりだった)を書いてくれていた。
もちろん謝られる必要はない。どのくらい受け止めてもらえたのかわからないけれど、とにかく精一杯書いたし、中身は伝わったようなのでよしとした。
もちろん、これはまだスタートで。
断り上手になるためにまだまだ試練がありそう。
でも、一応一歩進んだから。
次回も逃げずに頑張ろっと。
昨日の夕食
ブロッコリーと砂肝の塩炒め
鯵の南蛮漬け(前日の残り)
トマト