革命前夜 須賀しのぶ
選んだ理由は、
音楽関係だったこと
ベルリンの壁崩壊直前の話だったこと
ベルリンの壁崩壊は、1989年11月9日。
私は、社会人2年目。
正直、ベルリンの壁は崩壊しないものだと思っていただけに本当にびっくりした。
それだけ私にとっては、突然で。
東ヨーロッパ情報を知らなかっただけなんだろうけど。。
でも、この小説でも、ベルリンの壁崩壊は、計画的に起きたものではなく、住んでいる人でさえ、「まさか」という出来事であったみたいで。
もちろん、それまでに自由を求めて、あちこちで焰が上がっていた。消えた焔もあるけれど消えなかった焔もあり、それが色んなところに飛び火して、大きくなったらしい。
中国の天安門事件も大きな要素というのは考えても見なかった。
とにかく、生きているうちに、それも思ったより早くに(壁は28年存在した)崩壊したのは、本当にびっくりしたことだった。
物語は、その壁がまだ存在しているころ。日本人のピアニストがドレスデンの音楽大学に留学することから始まる。
その頃のドレスデンは東ドイツ支配下にあり、暗くて、品不足で密告が飛び交う、「不自由」な街だった。
でも、主人公はあえてドレスデンを選んだ。
物語の中で主人公が東ドイツを留学先に選んだ理由を語っている
音楽に国境がないという言葉は、嘘だ。音楽ほど地域性、国民性が出るものはない。それは間違いない。しかし、ベルリンフィルの音が商業的にどんどん洗練されていく過程で僕は次第に彼らの音から遠ざかっていった。
中略
彼らの音は、今でも素晴らしいのだろう。最高の才能が集まっている。ただ、僕の求める音ではなかった。ドイツのよき音色を受け継ぎ、いっそう鈍化していくようなDDRのオーケストラに僕はますます傾ていった。
⚠️DDRは東ドイツのこと。 ドイツ民主共和国の略。
そういえば。。
壁が崩壊する前の東ドイツは、音楽だけでなくスポーツも強かった。
オリンピックでは、国をあげて強化するのでソ連と記録を連発してだして、メダルをどんどんとっていた。
芸術も。。
ソ連の頃のバレエやオーケストラは凄かったし、東ドイツのオーケストラ
ドレスデン国立歌劇場管弦楽団(シュターツカペレ ドレスデン)
や
ゲヴァントハウス(ライプツィヒ)
は、地味に上手というイメージがあった。
もちろん、ベルリンフィルやウィーンフィル、バーンスタインが率いるニューヨークフィルは、華やかに登場するので陰に隠れてはいたけれど。。
でも、東ヨーロッパの芸術(ソ連も含めて)は、西とは違う魅力があったと思う。
だから、現実でも、不自由を承知で留学する人は大勢いたようだ。
例えば バイオリニストの前橋汀子さん
デビュー60年を過ぎても(今78歳)活躍中のバイオリニスト
17歳のときにソ連に1人で留学している。
西側の人間との接触は、警戒されたであろうから、さぞかし嫌な目にもあっただろう。
この物語でも、西側の人間に対しての警戒、監視のシーンが至る所に登場する。
それでも好きなもの(音楽)を追求する精神力は、敬服する。
そして、この須賀しのぶさんも。。
49歳。壁崩壊の時は17歳。高校生。
この方、東ドイツにいた訳でも、ピアニストというわけでもないのに。。
なんで?と思うほど、描写が細かいし、深い。想像だけでこれだけ描写できるって。
どうして?の?が沢山並ぶ。
大体、この方、他にも高校野球の話だの、幕末の浅草の話だの、第二次世界大戦直前のポーランド だの、会津の話をどんどん出している。司馬遼太郎も凄かったけど。
この方も幅広すぎる。
描写力。好奇心。すごい。
幅広く趣味を持っているけど、全て浅くしか掘り下げられない私から見ると、どんな時間の使い方をしているのだろう?
と、思ってしまう。
物語のなかで、ベトナムから留学してきたピアニストの女の子が主人公に自分の曲の覚え方を説明するくだりがある。
体で覚えるのは重要だけど、逆に動作に依存して覚えている箇所も以外に多いんだ。
それじゃあ歌えない。頭の中だけで完璧に再現できるまで何度も何度も楽譜と向き合って歌う。私は防空壕で、そうやってきた。爆撃の音も耳に入らなくなるまでね。
4月のチェロの発表会の曲は8分。
音程とリズムが合ってればと思ったけど。
まだまだ先があったのね。
丁度よいのでやってみよう。
頭の中で再現できるまで何度も何度も楽譜と向き合って歌う。。
早速今日からやってみます。
昨日の夕食
トンカツ
キャベツの千切り
プチトマト
大根とネギの味噌汁
前の日が牛肉で、この日は魚屋か野菜にしようと思っていたのですが、86歳の母が食べたかったようで、トンカツの肉を買ってきてくれました。
連日肉で重くない?と家族に聞いたのだけど、全く問題ない。とのことなので(笑)
トンカツ。
カラシを沢山つけて、ウスターソースをかけて食べました。
トンカツはちょっと前までは作るのが苦手でした。なんか美味しくない。
でも、160℃でじっくり揚げるようにしたところ、美味しいトンカツが作れるようになりました。