チェロとお昼寝

趣味のチェロとか とにかくもろもろ。アラ還主婦のつぶやき

ウィーンフィル日本公演に思うこと

映画のキャンペーンなのか、最近中谷美紀さんをテレビよく拝見します。
先日もNHKの朝イチに出演していらしていました。
中谷さんは、3年前にウィーンフィルビオラ奏者とご結婚なさって、ザルツブルクと日本の間を半年ずつ行き来していらっしゃるとか。

番組で使われた写真2枚
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ステキ!と思いさぞや優雅な生活と思うのですが。
でも旦那さんの仕事が無くなって大変!と言うお話もあり。。もちろん、大変さもレベルがあり、個人差もあり、お金の問題なのか、心の問題なのかもわからないのですが。(つまり何にもわかってない)

とにかく

どこの国のオーケストラも仕事が無くなって大変なようです。
ニューヨークフィルが昨日のニュースで1年半ぶりに演奏会を再開したと伝えられていました。
ベルリンフィル も6月に本拠地で演奏会を再開したばかり。
国内での演奏会も未だに大変で、海外アーティストなんて、とてもとてもって感じですが。

今年もウィーンフィルは11月に来日演奏会をします。
シューベルトの「グレイト」を聴きたい私としてはとてもとても行きたくて、果敢にもチケットを取ろうと挑戦したのですが、見事に振られ。
それについては過去ログで書いてありますので、良かったら

o-chancello.net


でも、昨年の11月。
日本はちょっと感染者が減って、GO TOキャンペーンと経済を戻そうとやっきになっているころ。劇場の観客数も100%に戻ったときに。

ウィーンフィルは日本公演をやってるんです。
7公演➕1(追加公演)(東京、神奈川、大阪、福岡)
とかなり大がかり。

海外からのアーティストの公演は軒並みキャンセルだったのに、ウィーンフィルがくるという話を聞いて、出た言葉は「えー!!無理でしょ。」でした。

オーケストラという大所帯がそのまま日本に来て演奏会って、何を無謀な!と。
多分そう思ったのは私だけではなかったと思います。

11月に日本で演奏会を行うという予定はもともとあり、チケットは4月に売り出していました。(緊急事態宣言の劇場定員50パーセントに合わせて売っていたらしい)
でもとてもとても海外からオーケストラを呼べる状態ではなく。私もやることは知っていたけど、もちろん中止か延期だろうなと思ってました。(もちろんチケットは買ってませんというか、高すぎて。。。買う気がなかった)

結局、やろうと決めたのが本番1ヶ月前の10月だったとか
多分、観客が100%入れられることがわかった時点で判断したのだろうと思います(9月中旬に50%から100%に解禁になった)
そこから、チャーター機を探して、感染対策を考えてと。
失敗したらそれこそ世間から総攻撃を受けるでしょうし、そうなるとダメージも大きいでしょうから担当の方大変だったと思います。

でもなんでそんなにまでして?
商業的にもそれほど儲かる話ではないと思います。
確かに、ウィーンフィルともなるとチケット代も高いし、売れるしでやりたい思いはあるでしょうけど。
今回はコロナという訳のわからないものも加わり、感染対策に対する費用は莫大です。
世間の反応も怖いでしょう。 それなのになんで開催するんだろう?

と思ったら。
オーストリア政府が懇願してきて、実現したとか。
政府間でオーケーしたらしいんです。
もちろん、オーストリアもコロナが蔓延していて、結局出発する時はオーストリアはロックダウン中でした。コンサートも禁止で夜間の外出制限もあった時期。突然蔓延した訳ではないので、その前から入国制限もしていたし、もちろん渡航自粛も出ていたはず。

現に台湾とか韓国とか中国とか。
ウィーンフィルは他の国の公演も考えていたらしいのですが。
実現せず(断られた?)
日本だけがオーケーした。

菅政権も思い切ったことをしたもんです。

政府の後押しと観客100%がきっかけだったのでしょう。
入国待機期間2週間も免除されるし、色んなことが「特別扱い」になるんですから、色々楽になるし。(その代わりチャーター機とか新幹線貸切とか一般人との接触を防ぐために莫大な費用が必要だったようですが)
でもそれでも大博打だと思います。よくぞ決心したもんです。

10月の終わりに(演奏会は11月初旬)残りのチケットを販売開始しました。
いろんな意味でギリギリだったようです。

でも、私は10月発売の情報を受けて、チケットの残り状況を見たんですけど。
全部空いてました。
ウィーンフィルのチケットが全部空いてるってびっくりしましたけど。
流石に皆躊躇したのでしょう。
私も、いやあ、チャンスじゃない!とチラッと思ったのですけど。
でも、突然の出来事にうろたえ、そして値段(19000円から39000円)に臆してしまい。
諦めました。気が弱いので。。。

そうは言ってもチケットは全部売れたようです。
チケットの売れ行きが良かったせいか。
東京公演では追加公演まで行われました。普段は安くても19000円のチケットが25歳以下に限って、学生席(舞台の裏の席)を3900円にするという素敵な試みもされて。。それにあたった学生さん。得しましたねえ。

舞台裏も大変だったようで 

出発直前にウィーンの劇場前で爆発テロがあり。(団員はホテルにいて無事)
また出発直前のPCRビオラの団員が感染していることがわかり。その周りの人たち(ビオラ?)5人も濃厚接触者になって急遽渡航中止。
代わりのビオラがいなかったのか、バイオリンで予備要員だった2人をビオラに回して、急遽メンバーの入れ替えがあったとか。
バイオリンからビオラって弦の音も違うし、楽器も大きいし。でもそんなにすぐ切り替えが行くって、すごいですね
運送は、
まず、全日空が空っぽの飛行機をウィーンまで飛ばして、団員だけのせて、福岡まで運んだんだそうです。もちろんチャーター機です。
福岡から大阪、東京までの新幹線も全部貸切。
ホテルもワンフロア貸切。
食事もホテルで貸切。小学生みたいに全員同じ向きを向いて食べたとか(ヨーロッパ人がそんなことできるのだろうか?)
外出も禁止(外人の団体が外歩いてたら目立ちますからねえ)
一般人、特に日本の友達との接触も禁止(出来たかな?)

日本で発症した方はいらっしゃらなかったそうです。

堤剛さんのドボルザークのチェロコンチェルトとか。
チャイコフスキーの悲愴とか演奏会は、ブラボーもなく、静かに行われたそうですがとても感動的なものだったそうです。

演奏会を強行したことについて、賛否が分かれるのは当然と思いますが。
コロナ下でウィーンフィルを聴くってなかなか出来ないことなので、私はとても羨ましかったし、よく頑張ったなと思いました。
一流の奏者でも、こうやって無理押してやってるっていうのは、頑張っていることが伝わって励みになりました。

その時はそう思ったのですけど。
コンサートに行かなかった(行けなかった?)から言うのかもしれないけれど

今思うこととして。
ちょっとやりすぎじゃないかな?と思っています。

芸術は大切なことと思うけれど。
そこまで「特別扱い」は必要ないのではないかと。
民間がやるのだから、お金かかっても良いのだろうと言うのだろうけど。
そんなに上手なお金の使い方ではないし、褒められたものではないんじゃないか?
あんまりかっこよくないな
と思うようになりました。

どうしても生が見たいと言うなら、落ち着いてから 見に行けば良いし
今はオンラインで色々なところがやっています。

それと
ルールを改定してまで(2週間ルールを撤廃)一度やってしまうとそのままズルズルと特例がまかり通ってしまうので。
ちょっと怖いなとも思っています。

よく、国会議員とか医師会とかの自粛を呼びかける方々が、宴会や夜の飲み会をやって
「感染対策は十分やっていた。誤解を招く行動をしたことは反省する」と言っているのは、結局「自分たちは特例」と言っていてるのと同じで。
このウィーンフィル来日対策も同じじゃないかと思うようになりました。

私はすぐに木に登るタイプで。
裏に潜んでいる大事なことを見落としてしまうのですが。

演奏会に関係する、「開催してやる」と言う心意気はすごいと思うけれど。
私はあんまり賛成しないし、必要以上の「特別」は使わず、でも楽しく生きる方法を見つけようと思います。
多分その方が後々楽なんじゃないかと。。。。
無理しすぎはいけません。

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