チェロとお昼寝

趣味のチェロとか とにかくもろもろ。アラ還主婦のつぶやき

蒸篭(せいろ)を取り替えた

我が家の蒸篭。

20年くらい前に、中華街の「昭宝」で購入した。

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中華の用品としてはかなり有名なところですが、

値段は手頃です。

 

20年前に蒸篭セットで購入したときも(鍋と蒸篭2段、蓋付き)5000円しなかったと思います。

この蒸篭、とにかく便利で。

野菜を蒸したり、肉を蒸したりと、色々使いました。

しかし、20年も使うと、元々竹で出来てますから、壊れます。

あと、蒸してる最中に、火が燃えうつったりして、壊れたり。

そういう時は買い替えですが。。

 

このお店では、バラ売りが可能なんです。

ネットで見るとセット売りだけで、全取り換えが必要ですが、

ここのお店は一段だけとか、蓋だけとか可能。

一段1900円ちょっとですから。

これで20年だから。

お店もやってられないよなぁ。と、思いながらも。

買わせていただきました。

 

中華街は、本当に凄い人です。

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暑い日でした。

若者が、ひしめき合ってる。

 

この混み混み具合が嫌で、最近は中華街にはとんと行かなくなりましたが、今日は仕方がない。

 

1900円ちょっとの蒸篭をひとつ買うために(笑)

本当は蓋の部分も壊れかけていたのですが。

まだ使えるから。

本当に一段だけ買いました。

 

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見てお分かりと思いますが、真ん中が新しい蒸篭

1番下の蒸篭は、コロナのちょっと前に、買い替えた記憶があります。

蓋と鍋は20年もの。

蓋はあと数年で崩壊すると思われます。

 

新しい蒸篭は、ちょっと背が高くなっていました。

高い方が便利ですからね。

良かった。良かった。

 

中華街の帰りに懐かしいお茶屋さんに寄りました。

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台湾茶を売っているお店です。

 

しかし。。

客がいない。

昔は、お客さんが山のようにいたお店なのに、どうしたのでしょう?

あの時は、無料でお茶を飲ませてくれましたが、

今は全く無いみたい。

それが原因か??

 

しかも、店員さん、これでもか。って言うほど愛想がない。

これも原因か??

 

まあ、昔無料のお茶沢山飲ませてもらったし、と、

ちょっと高めの烏龍茶を買って。

 

帰宅。

たったこれだけの買い物だったけど。

あの人混みは疲れます。

平日の昼間であんなに混んでるなんて。

今度行く時は、平日の朝行くことにします。

 

 

頑張れムスコ

同級生の死去

 

知らせを聞いたときは、呆然としたが。

落ち着いてくると、現実が見えてきて。

心配になった。

 

喪主は1人ムスコ。

このムスコ、色々難儀して生きているらしい。

小さい頃は面白おかしく、友人がムスコの話をしてくれて状況はなんとなくわかっていたが、大学が終わるころから、友人はピタリとムスコの話をしなくなった。

こちらも敢えて聞くこともないと聞かなかった。

最後に6月末にお見舞いに行ったときも、家族(両親、弟、おばさん)の話は楽しそうに喋っていたが、ついにムスコの話はしなかった。

だから、友人死去の知らせが、ムスコから届いたときは、「いやー。ちゃんと戻ったのか良かった」と思った。

しかし、喪主といえば、告別式で参列者への挨拶するんじゃないか?

もちろん、挨拶が喪主じゃないパターンは沢山ある。でも。

多分、あの家の家族はムスコにやらせるだろう。

何より、母親である友人が希望していただろう。

 

でも。

できるか?大丈夫か?

 

告別式の日、久しぶりにムスコを見たが、やっぱり心配になった。

余計なお世話だと言われるだろうし、自分でも思うけど、でも、母の様な、いやまさに母の気持ちになって、お経の間も、なんだか心配で。。

 

遺影の友人を見ながら、

「心配でしょ。アタシでさえ心配だから。息が出来ないくらいでしょ。あっ息してないか。。」と、訳のわからない思いを伝えていた。

 

棺桶で最後のお別れをするとき、ムスコはすがるように母とのお別れを悲しんでいた。

周りもそれを見て、また泣いて。

でも、私は、次の喪主挨拶にドキドキして。。

 

ついに喪主挨拶の時が来た。

最初は、通りいっぺんのご挨拶の言葉を読みながら喋っていた。

ハッキリとした大きな声で、キチンと喋りだしたので、ちょっと安心。

このまま、型通りのあいさつにするのかな?

まあそれでもよいか。と思っていたら。

 

原稿から目を離して、

前を見て喋りだした。

「色々ぶつかってきましたが。私にとっては、自慢の母でした。母の息子に生まれて本当に誇りに思います。本日はありがとうございました。」

と、絞りだすように、でもしっかりとした声で前をみて喋った。

 

短い。

 

もっと最後の様子を詳細に話して欲しかったと思う参列者も多かったと思う。

でも、短い言葉のなかに、沢山の思いが含まれていて、それがみんなに伝わった。

「良かった!ムスコ!でかした!」

「ムスコ、凄く頑張ったよ!良かったね!」

拍手しながら友人に心の中で呟いた。

 

これからのムスコの人生。

大変だろうと思うけど。でも、立派に母を送りだしたんだから。

きっとプラスになるはず。

頑張れムスコ!

最後の言葉

同級生の葬儀に行って来た。

友人は随分前に離婚して、息子と2人。

でも、親兄弟とは仲良くて、家族グループLINEもやっていたらしい。

ご両親は85才も過ぎていて、それぞれが病気をかかえていて、ついに娘の病室までは行かれなかった。

だからこそ家族LINEは大活躍で、毎朝「生存確認!」と、各人がメールやスタンプを送っていたらしい。

 

友人が亡くなる日も。

朝、生存確認メールが飛び交ったという。

簡単なおはようメールだったけど、

最後にその友人が

「これでおしまいにします。」

と、メールを打った。

朝6:35

 

やばい!と感じた息子と弟は病院に走ったが。

到着した時は、心停止だったそうだ。

死に目に会えなかったのは、残念だったろうが。

ちゃんと家族に、「おしまい」メールを打ってさよならが言えたのは、いかにも現代的で、友人らしい最後だったと思う。

 

告別式が終わって、仲間と昼食を食べに行った。

久しぶりに会う先輩、後輩もいて、懐かしい話から

人生の苦労話(離婚した、嫁に逃げられた、死別した)も沢山でてきて、みんな遠慮することなく、質問し、ツッコミ。。最後は、でも今幸せになって良かった。と慰めあい。

 

友人とのお別れは寂しかったけれど、また縁が繋がって、良い会になりました。

エンディングノート

〇〇 〇〇の息子です。

病気療養中の母〇〇が亡くなりました。

葬儀は以下の通りです。

 

本当は、もっと丁寧な文章だったけれど。

とにかく、友人の息子から、友人の死亡のメールが届いた。

最初は「???」で。

いったい何なんだ?

友人のLINEから届いたので、

あいつ、何を訳のわからないことやってるんだ?

と思いながら。

何度も何度も文章を読んで。

やっとわかった。

 

同級生が亡くなった。

息子が知らせてくれたんだ。

 

大学時代のオーケストラ部の同期。

同期は12人ほどだが、そのうちの5人の女子で、何だかいつもつるんでいた。

そんなにつるんで、何を喋っていたのか?

思い出せないけど、とにかく喋っていた。

卒業後は、さすがにつるむことはなく。

でも、お互い良い感じの巾をとって、付き合ってきていた。

思えば卒業して40年弱。。

 

グループメールでたまーに近況を語っていたが、その友人があるときから参加しなくなっていた。

既読にはなっているものの、全く参加してこない。

どうしたのかな?と、思いながら、まあ忙しいんだろうと思っていたが。

ある時、用事があってメールすると

「実は病気で入院してるの」と返信があった。

お見舞いに行ってもよいと言うので、早速行ってみた。

久しぶりに会った友人は、抗がん剤で髪の毛が抜けていた。鼻にはチューブ。

お見舞いは、1人で来て。

という意味がわかった。

「こんなかっこ悪い姿あんまり見られたくないから」

友人らしい言葉だった。

病気もひた隠しにしていたらしい。

 

姿は痛々しかったけれど、口は昔のまま。

30分ほどの面会時間は、喋りまくって瞬く間に終わった。

「じゃあ、今度は退院したら、遊びに来て」と言って、友人が手を差し出した。

 

握手。。

 

今までこの友人と握手なんてしたことない。

そんな照れ臭いことしませんよ。

何でいま?

 

嫌な予感がしたけど。

拒否する意味もないので。

ギュッと握り返した。

力強い握手だった。

 

それから2ヶ月。

何度かメールのやりとりのあと。

退院したと連絡があった。

 

暑いから。

涼しくなったら、遊びに行くね。

「うんうん」

が最後になった。

 

亡くなったメールの最後に、息子さんの電話連絡先があった。

息子さんは産まれる前から知ってるし、エピソードも沢山知ってるが、直接喋った記憶がない。

そんな相手に、お母さんの友達から、電話がかかってきても、ドギマギするだろうなと思って。

ショートメールを打ってみた。

 

息子さんから返信がきた。

友人は、エンディングノートを書いていたらしい。

自分が死んだら、連絡して欲しい人の連絡先が書いてあって。

大学については、〇〇(私の名前)に連絡するように。

連絡して、「その他のメンバーに知らせるようにお願いして。」

と、書いてあったらしい。

 

息子曰く。

「その他のメンバー」って、どなたのことなのか僕にはわからないんですけど。。。

と、戸惑っていたが。

私にはよくわかる。

誰と仲が良かったか。

誰に連絡したいか。

 

部活だけでなく、研究室も。

息子さんには、「お任せください。ちゃんとやるから」とお伝えして、「その他のメンバー」に連絡した。

もちろん、連絡先がわからない人もいるけれど。

何人かにお願いすれば、また次にと繋がるので、瞬く間に連絡が広がった。

 

息子さんの話では、

大学だけではなく、それぞれのコミュニティの友人も連絡先が書いてあったのでお願いできた。

とのこと。

 

「しっかりした立派な母です。」

と、書いてあって、涙がでた。

 

友人は、随分前に離婚して。

1人で息子を育ててきた。

 

死期を悟った友人は、息子の為に、困らないように色々ノートに書いたのだろう。

知らせる人の連絡先はもちろん。

財産管理、その後の処理。

まだ独身息子で、ちょっと頼りない(友人談)息子の為に、辛い身体で、書き残したのだと思うと、とても切ない。。

 

でも、もう他人ごとではないのだな。

とも思った。

 

まずは、来週の葬儀。

エンディングノートを書き上げた友人に

「よく頑張ったね。」と、伝えたい。

 

 

 

 

 

 

大谷効果

日本のプロ野球は、中学生のころ(40年以上前💦)は大好きで。

毎日、毎晩中継を見て、テレビ中継が終わるとラジオで終わりまで聞いて。。

日本シリーズの時は、授業中にも関わらずこっそりイヤホンつけてラジオを聞いていたっけ?

その頃は広島ファンで、でも東京住まいでなかなか広島の情報は入って来なかった。

広島ファンなのに、多摩川の巨人の練習グランド(今はないと思う)まで行って、サイン帳片手に選手を追いかけた。

入ったばかりの江川とか、新浦とか、角とか。

 

今は、そんな熱意は全くないけれど、大体今の順位くらいは把握して。

おー、今年は広島が優勝?

と思っていたら。。

なんか、広島が信じられない失速をしていて。。

えーどうしたんだろう?

 

と、思っていたら、世の中は大谷の話題ばかりになって。。

45-45をあっさり通過して50-50も通過。。

いやあ、55-55行くのかな?あと何試合?

なんて、今まで全くメジャーリーグのことを知らなかった(今もかなりわかってないけど)けど。

何となく、興味が出てきて。

地区優勝とかワールドシリーズとか、という言葉が頭に入って、なるほどなぁ。。

と、思っていたら。

昨日のワイドショーで、

巨人とソフトバンクがリーグ優勝したことを知った。。

巨人は前日に優勝したらしいが、ソフトバンクは随分前だったらしい。。

こんなに、ニュースに疎くなるとは。。

 

日本のプロ野球も応援しなくちゃ。

という気持ちもあるけれど。

せっかくだから、メジャーリーグの掟(?)も覚えるか。

しかし、まだ、地区優勝あとの動きがわからない。。

ワールドシリーズに行くまでかなり複雑そうで。。

チームも30チームもあるとかで、チーム名はおろか、何地区なのかもわからない。。

前途多難だわ。。

元町まで楽器調整に

久しぶりの投稿です。

元気に過ごしております。

 

チェロも変わらず。。

いえいえ、あれもこれもと手を出して、多分生涯で1番弾いてるんじゃないか?(素人が頑張る程度ですので大したことはありませんが)と思うほどよく弾いています。

 

母も。

もちろん入院中です。

元気ですが、認知症はすすんでいて、どんどん新しいストーリー(銀座に忘れ物を取りに行ったとか、犬が生まれて大変とか。。)が展開されていて、唖然としながらも楽しんでいます。

 

今日は、楽器の調整で、横浜石川町まで。

元町です。

チェロの調整って、数日かかります。

一年に一度やっていただくことにしていますが、アマチュアでは、壊れない限り調整しない!

という方が殆どで💦

確かに、アマチュアが持っている安い楽器(とは言え、趣味としては、充分に充分に高い)を調整してくださる楽器屋さんはなかなか無いし。調整に持っていく手間や、費用を考えるとなかなか続けるのは大変です。

でも、一度調整に出すと、「おー!」と思うほど楽器が変わって帰ってくるのです。

あの感動。。。

辞められない。。

 

ということで、私は通っています。

 

一昨日楽器を預けて、今日は受け取り日。

しかし、ちょっと事情があって、弓の張り替えは、当日(今日)お願いすることに。

弓の張り替え時間は、約2時間!

そしてここは、元町!

 

お出かけお出かけ。。‼️

 

ところが。。

元町は今、チャーミングセール真っ只中で。。

横浜に住んで30年ほどの私ですが。。

チャーミングセールは、初めて。

セール苦手で。。

チャーミングセールと言えば、沢山の若者でごった返し、入場制限もあって。。と、昔々聞いていたので、どんなだ?とドキドキしながら、(苦手と言いながら、見たい(笑))元町通りに行ってみると。

 

若者は、ほぼ居ない。。

昔若者だった方ばかり。。

私より年上のおばさま方が、お友達と一緒に楽しそうに買い物していて。

いつもの閑散とした元町に比べると、人はごっちゃりいますけど、普通に歩けるし。。。

 

お店にも何軒か入ってみましたが、どう見てもセール品というものを並べていて、魅力なし。。

 

お昼だし、何か食べたい!と思って、

よく行っていたお寿司屋さん(ランチは安い)は、ランチを辞めた様子。

蕎麦屋さんは、お店が変わっていた。

おにぎり屋さんも、無くなっていて。。

おしゃれな洋食屋さんは沢山あるけど、なんだかなぁ。

中華街のランチ?とも考えたけど、確かに700円とか安くてどっさりのボリュームだけど。なんか違う。。

 

悩んだ末。

元町通りの端っこにあるカフェに。

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いつも素通りしていたのだけど。

ゆったり過ごせそうだったので。

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マフィンを中心に、

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キッシュ、サラダ付き。とチャイを注文。

リンゴのタルトとキッシュで悩んだのですが、

お店の方に「キッシュをオススメします」

と言われたので(ランチだからね)決意しました。

次回はリンゴのタルトにしよう。

お昼どきなのにお客さんは少なくて、のんびりできました。

結局、チャーミングセールでは何も買わず。。見ず。

時間になって、楽器屋さんに。

 

楽器屋さんに行って、店主の方とお話していると、チェロ仲間のおばさま登場。

おばさまも楽器の調整と弓の毛の取り替えにいらしたとか。。

来年80才のおばさま。

とてもとてもお元気で。

何より、全てに品があってステキ。。

こんなおばさまになりたいなあ。と思いながらも、アホな話で盛り上がり。

 

コロナ以来、友達付き合いが急減しています。

でも、それはそれでゆったりとした時間がとれて嬉しいのだけど。

たまのおしゃべりもやっぱり嬉しい。

素敵な1日になりました。

 

 

 

どんな人も音楽って聞こえてる。。

母の入院している老人病院は月に2回ほど音楽コンサートがある。

一回30分ほどのコンサートだけど。

聴いている人は、車椅子のご老人とその家族なので、そのくらいの長さが丁度よい。

時間になると、ゾロゾロと車椅子に乗せられた

患者さんが運ばれてくる。

車椅子も色々あって、自分で操作できる車椅子もあれば、押してもらう車椅子、それも自分で座れる人用の車椅子や、首を支えて乗るもの、リクライニングが効いている殆ど寝たきりの方が乗る車椅子もあって、世の中こんなに色んな車椅子があるんだ!と感心しながらいつも見ている。

平均年齢89才のこの病院。

コンサートをやっていても、患者さんたちは皆目をつぶっていらっしゃる。

時々、大声を出す方もいて、こちらは全然構わないし、演奏をしていらっしゃる方も全く気にしていない。

ただ、私としては、そんな状態で聴いていて楽しいのかな?と思っていた。

30分とはいえ、動かないように、静かにするように、と、そんな雰囲気になってるから、結構辛いんじゃない?というか、楽しい??

と、思いながら。

母は認知症が進んでいるとはいえ、このコンサートはとても楽しみにしている。

でも、今は楽しいけど、寝たきりになったらどうなんだろう?

わからないなら、来ても仕方ないかもなぁ。

と、はやくも先のことを考えてしまい、いやいや、今楽しんでいるのだからそれでよいことにしよう。

と、思い直していた。

 

ある日のコンサート。

ハープの演奏会だった。

コンサート会場で。

母の隣の隣の女性は、車椅子に座って参加していらした。

背中を丸めて座っていらっしゃるけど、ずっと下を向いていて、何も反応されない。

娘さんが話しかけても反応なし。

娘さんは慣れているようでそれでも色々話しかけている。

途中、他の患者さんが話しかけていたがやっぱり反応なし。

代わりに娘さんが対応していた。

寝ていらっしゃるのか、聞こえないのか、もしかして御気分が悪い?

とも思うほど、内にこもっていらして、周りとはシャットアウト!という感じだった。

コンサートが始まって、明るい曲が流れても、楽しいトークが始まってもやっぱりシャットアウト状態で。。

座ってるの辛くないのかな?と余計な心配をしてしまうほど、周りとは遮断した世界を作っていらした。

コンサートは続き、クラシックの曲から、懐かしい母の世代が小さい頃歌っていた曲に変わった。

その何曲目かで。

向こうから綺麗な歌声が聞こえてきた。

あれ?

っと思って、横を向くと、さっきシャットアウトしていたおばあさんが、すくっと背中を伸ばして歌っていた。

ついさっき、背中を丸めて、下をむいて周りから完全に遮断していたのに。

別人のように、背中を伸ばして、前を向いて、大声で歌っていた。

曲は繰り返されて、おばあさんの歌は2番になった。おばあさんは、歌詞を間違えることなくキチンと、本当に綺麗な声で歌っていらっしゃる。

演奏しているハープのお姉さんも本当に嬉しそうで綺麗なハーモニーが続いて、聴いているこちらも本当に嬉しくなった。

曲が終わると、お客さんもハープの方も拍手でおばあさんを褒め称えた。

でも、おばあさんは、それに応えることもなく、拍手の中、また下を向き、背中を丸めて、元の姿勢に戻ってしまった。

さっき、あんなに伸び伸びと背中を伸ばして前を向いて歌っていらしたのに。。

あっと言う間に戻ってしまった。。。

 

でも、まわりの私達は、本当に幸せだった。

病院の方々も同じだったと思う。

コンサートをやっていて、果たしてこれは役に立っているのだろうか?

と、悩むことも多いと思う。

でも、皆さんちゃんと聞いていらっしゃるということがよくわかった。

何より、私はその現場にいられたのが本当に幸せだった。

音楽ってすごいな。と思った瞬間だった。